【相談】整体院のトラブル
【事例】
高齢の母親が、知人に紹介された整体院の体験に行った。施術内容は、背骨を軽く押す程度で10分もかからずに終了してしまったが、体験ということで5,000円を支払った。
翌日、今度は業者が自宅に訪問してきて施術を行った。その際、1ヵ月で痛いところがすべて治るからと、ビタミン剤や酵素食品、コラーゲンなどの健康食品12点の購入を勧められた。「買う」とは言っていないのに、それぞれの容器の蓋に服用方法を書き、中身を勝手に開けて飲むように勧めるので思わず飲んでしまった。そして母のみならず認知症の父の分だと2人分の健康食品を置いて帰った。この日は代金については何も言われなかった。
その翌日、再び業者が来訪し施術を行った。そこで初めて健康食品は一人分30万円、二人分で60万円だと知らされた。まだ施術は3回目であるし、健康食品もそれほど飲まないかもしれないので、10万円ずつ分割で支払いたいと言うと、銀行に車で乗せて行ってあげるから一括で支払うようにと言われた。体がよくなるのであればやむを得ないと思い、家中のお金をかき集めて30万円を一括で支払ったようだ。しかし、母親に必要な契約だとは思えないのでクーリング・オフをしたい。
(60代 男性 自営業)
<センターの対応>
契約書面が交付されておらず、クーリング・オフ期間の起算が始まっていない状態(クーリングオフの起算日は契約書を受領した日)であることから、クーリング・オフのハガキを出すこととし、ハガキの書き方を情報提供しました。ハガキを作成している途中で、ちょうど業者が4度目の施術に来訪したため、相談者が口頭でクーリング・オフをすることを告げ、健康食品をすべて返却し、既に支払った30万円の返金を求めたところ、施術代4万円を差し引いた26万円であれば返金するという提示があり、当事者である母親がこの返金額で了承し、当日中に26万円が返金され相談終了となりました。
<アドバイス>
【健康食品の購入】
施術に効果があると称して、大量の健康食品などを詳しい説明もないまま強引に販売する悪質なケースが見受けられます。このような業者は、消費生活センターや消費者を恫喝するケースも多く、解約交渉も困難を極めます。また、最初は親切で優しく接するため、背後の悪質性を見抜くことは難しい場合が多いです。
もしも、必要以上の健康食品や関連商品の購入を持ちかけられた時は、そのような販売をする業者には問題があると考えて、はっきり断りましょう。さらに、購入した健康食品を開封し使用してしまうと、たとえクーリング・オフが可能な場合でも、すべて買い取らなければならない場合があります。
少しでも不安を感じた場合は、開封をせずに消費者ホットライン188に相談してください。
【施術を受ける場合】
この事例では直接問題にはなりませんでしたが、身体への施術を受ける場合にも注意が必要です。
器具を使用しない手技による施術で、日本で行われているものは、①「あん摩マッサージ指圧」や「柔道整復」といった法的な資格制度がある施術と、②法的な資格制度がない施術の2つに大別されます。
①の「あん摩マッサージ指圧」や「柔道整復」は、文部科学大臣の認定した学校または厚生労働大臣の認定した養成施設において3年以上の教育を受け、国家試験に合格した者のみ業として行うことができ、施術所を開設する場合は、所在地の都道府県知事に届け出なければなりません。
一方、②の法的な資格制度がない施術には、いわゆるカイロプラクティック療法や整体、心身の緊張を弛緩させることを目的としたリラクゼーションマッサージなどがあります。医学的観点から人体に危害を及ぼす可能性のある施術は禁止されていますが、施術内容は業者によりまちまちで、その施術による事故の発生も少なくありません。中には、神経・脊髄の損傷に至るなど、治療期間が1ヵ月以上に及ぶ重大事故が発生した事例もあります。
カイロプラクティック、整体、リラクゼーションマッサージなどの法的な資格制度のない施術を受ける場合は、できるだけ情報収集し自分に合った施術や施術者を慎重に選び、疾病のある方は事前に医師に相談しましょう。また、万が一、施術を受けた後で異常を感じた場合は、なるべく早く医師に相談してください。
危ない!クリック前にチェック!<消費者庁ホームページへリンク>を掲載しました
賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?<消費者庁ホームページへリンク>
賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?<消費者庁ホームページへリンク>
【相談】1点ものの振袖が当たりました!?
こんな相談がありました
呉服店から17歳の娘あてに着物の冊子が届いた。その中で、アンケートに答えると賞品が当たるという懸賞の案内があったので応募した。
数日後、呉服店から「A賞の振袖が当選したので自宅まで届けに行きたい。」との電話があったため、詳しく話を聞いたところ、店側から、振袖の受け取りには反物の仕立て代
30万円を支払う必要があるとの説明を受けた。店側は、振袖が貴重な一点物の絞りであることも強調したため、そのような貴重な物であれば、仕立て代を支払ってもよいと思い、その場で呉服店の訪問を承諾した。電話後、夫にそのことを話すと、夫から「商品が当たったと言って、高額な商品を買わせる手口があると聞いた。騙されているのではないか。」と言われ不安になった。騙されているのだろうか。
(40代 女性)
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当選したにもかかわらず、受け取りのために金銭負担が生じるのであれば、購入と同じことです。相談者に対し、17歳の娘さんの成人式用に振袖を購入したいということであれば、時間はまだ十分にあるので、様々な商品を比較してから購入することが可能であることを伝えるとともに、今回の懸賞については、いったん受け取りを辞退してみてはどうかと勧めました。
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成人式を控えた10代後半の女性を対象に、懸賞付きのアンケートが届くことが多くなっています。懸賞に応募すると、高級な反物が当選したと連絡があり、いざ賞品を受け取ろうとすると、仕立て代の他、帯や襦袢、草履やバックなどの和装小物まで購入することになり、結果的に高額な契約をさせられたという事例もあります。
「当選した」「あなただけ選ばれた」と言われると、つい気持ちが高揚し、よく考えないまま必要のないものにまでお金を払ってしまうおそれがあります。これらは「当選商法」と呼ばれ、着物のほか、健康食品やウォーターサーバーなどでもしばしば見られる手口です。
人生に一度しかない成人式の晴れの舞台の装いは、自分が納得したお気に入りのものを身につけることで、より楽しいものにしてください。
もし契約してしまった場合でも、契約時の状況によってはクーリング・オフできる場合があります。あきらめずに消費者ホットラインに相談してください。
消費者ホットライン ☎188(いやや!) (お近くの消費生活センターにつながります)