【相談】故人宛てに数珠を送り付ける手口に御注意ください
【事例】
父親が亡くなり、地方紙朝刊のお悔やみ欄に掲載された。その亡くなった父親宛に数珠が入った封筒が届いた。封筒の中には「この度は弊社の商品をご注文いただき誠にありがとうございます。ご注文をいただいておりました商品を入荷いたしましたので、発送の手続きをさせていただきます。つきましては下記口座に商品代金12,800円(税込み・送料込み)をお振込みくださいますようお願い申し上げます。尚、お振込み手数料はお客様ご負担にてお願いします。」という文面と振込先が書かれた書面が同封されていた。父は、亡くなる数日前には入院し、その前の1年間は施設に入居していた。認知症の症状もあり、文字を書くことも困難だし、スマホや携帯も持っておらず、数珠を注文することは考えにくい。新聞のお悔やみ欄を見て送り付けてきたのではないか。どう対処すればいいか。
(40代 男性 給与生活者)
<センターの対応>
送られてきた封筒や同封された書面には、業者名と住所が書かれていましたが電話番号の記載がなく、センターでも業者名を手がかりに連絡先を探してみましたが見つけることができず、事実確認をすることはできませんでした。
しかしながら、相談者が言うとおり、長く施設に入居していた高齢者が自ら何かを注文することは考えにくく、お悔やみ欄を悪用した「送り付け商法」の可能性が極めて高いと考え、相談者に対し、14日間保管し、その間に相手方から商品の引き取り請求などの連絡がなければ自由に処分して構わないことを説明しました。
<アドバイス>
あたかも亡くなった方が注文したように装い商品を送りつける手口とみられます。県内で同様の相談が10月14日から20日までの間に9件寄せられており、概ね同時期に地方紙のお悔やみ欄に掲載された人宛てに送られたものでした。このことからも、お悔やみ欄に掲載された情報を悪用した新手の「送り付け商法」であることがわかります。
万が一遺族が、お金を支払ってしまっても、業者の所在が不明なので、返金を求めることは極めて困難です。同様の手口は今後も発生する可能性がありますので、亡くなった方宛に何らかの商品が届いても、すぐにお金を支払うのはやめましょう。送り付け商法とみなして、14日間保管のうえ、その間に相手から引き取り等の請求がない場合は処分して構いません。少しでも不安な場合は消費者ホットライン188に相談してください。