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第9回 強引な布団の訪問販売

 一般的に、人生の3分の1は睡眠時間であると言われています。睡眠により身体や脳を休息させ、翌日への活力につなげることができます。そして、この睡眠に欠かせないのが布団などの寝具です。より良い睡眠のため、少しでも快適な寝具を求める人も多いと思われますが、その一方で、高齢者や障害者などを狙った悪質な訪問販売の被害が後を絶ちません。
 1人暮らしの高齢者に関する相談事例です。ある日突然、布団の販売業者が訪ねてきました。「布団を見せて欲しい」と言うので、家の中に入れて、押し入れに案内したところ、業者は押し入れの中から、相談者が昨年購入したばかりの羽毛布団を取り出しました。業者が布団カバーを外すと突然羽毛が飛び散り、相談者が驚いて見ていると、業者はすかさずリフォームを勧めてきました。
相談者は「子どもに相談してから」と断ろうとしましたが、何度もしつこく勧められ、断り切れずに仕方なく契約してしまいました。数日後、リフォームした布団が届けられましたが、手持ちのお金がなく支払いに困り、離れて暮らす娘に相談したことで、今回の事例が発覚したものです。
 訪問販売を行う場合は、訪問に先立って会社名を名乗り、商品の販売が目的であることを告げなければなりません。ところが、今回の事例のように「布団を見せて欲しい」とか「プレゼントを届けたい」などと言って、本来の目的を告げずに訪問して家に上がり込み、布団の販売やリフォームの契約をさせるという手口が後を絶ちません。また、業者が布団に触れると羽毛が飛び散る現象についても、多くの相談事例で報告されていますが、信頼に値するものとは言い切れません。さらに、業者によっては、消費者に対して「消費生活センターに相談してはいけない」と釘をさしたり、消費生活センターに相談したことを責めたりするといった事例も見受けられます。
訪問販売については、訪問者の用件を確認し、必要がなければきっぱりと断り、絶対に家に入れないようにしましょう。また、可能であれば、1人では対応せず、家族や周囲の方などに同席してもらうようにしましょう。
さらに、家族や周囲の方においては、高齢者宅に不審な訪問はないか、家の中に不要な物品や契約書がないかなど、日頃から高齢者の様子を見守っていただくことが大切です。
おかしいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン「☎188」(いやや)に早めにご相談ください。

青森県消費生活センター 土日祝日も相談受付中! 017-722-3343

●相談受付時間/平日9:00~17:30 土日祝日10:00~16:00 ●休日/年末・年始
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