文字 拡大 標準
配色

老人ホームの入居権に関する電話に注意!

 「特殊詐欺」という言葉をテレビや新聞でよく耳にされるのではないでしょうか。「特殊詐欺」とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みやその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪の総称です。オレオレ詐欺や還付金詐欺などがありますが、2014(平成26)年頃には、大手企業を名乗る人物や弁護士などの複数の人物が登場し、まるで劇場で芝居を見るように被害者を騙すためのストーリーが展開される「劇場型」と呼ばれる手口が急増しました。その手口が、県内でも再び増加しています。

 ある日、大手企業を名乗る男性から電話があり「あなたの住んでいる地区に、老人ホームを建てることになりました。その優先入居権を持つ人のリストにあなたの名前が載っていますが、入居する予定はありますか」と聞かれました。自分は元気だし、老人ホームなどに入居するつもりもないので、「必要ありません」と断わると、入居権を他の人に譲るよう頼まれたので、特に気にすることもなく「構いません」と答えました。するとその日のうちに、老人ホームの運営会社を名乗る人から「1千万円のご入金、ありがとうございました」と電話がありました。自分が振り込んだものではないと伝えると「名義貸しは犯罪だ。このままだと逮捕され拘置所に入ることになる」と言われ、弁護士に相談するよう勧められ、連絡先を伝えられました。その弁護士に連絡をすると、「このままだと資産をすべて差押えられてしまうので一時的に避難させましょう」と言われ、銀行から預金をすべて引き出し、指示通り「野菜」と品名を書いた箱に現金を入れて指定された住所に複数回に分けて宅配便で送りました。資産のほぼ全額を送った後で、詐欺の被害に遭ったのではないかと急に不安になり、消費生活センターに相談したという事例です。

 老人ホームの入居権に関する電話は詐欺の手口です。不審な電話がかかってきたら、すぐに電話を切りましょう。留守番電話機能を利用して、かかってきた電話には出ず、必要に応じて後でかけ直す方法も有効です。業者が持ち掛けてくる話は非常に巧妙にできていますが、話をうのみにせず、絶対にお金を払ってはいけません。

 少しでも不安な時は、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

不審な電話には要注意!!
1 老人ホームの入居権を譲ってという電話は詐欺!

2 不審な電話は相手にせずすぐに切る

3 少しでも不安な時は消費者ホットラインに相談する

青森県消費生活センター 土日祝日も相談受付中! 017-722-3343

●相談受付時間/平日9:00~17:30 土日祝日10:00~16:00 ●休日/年末・年始
〒030-0822 青森市中央三丁目20-30 県民福祉プラザ5階

上部へ 戻る