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第16回「保険料の還付がある」という電話は詐欺です!

 「〇〇さんですか? こちらは、××市役所介護保険課のタナカと申します。実は消費税が5%から8%に引き上げられた際に、介護保険料を多く徴収していたことが判明しまして、3カ月ほど前に関係する書類をお送りしていましたがご覧になっていませんか」と丁寧な口調の電話があれば、大半の人が市役所からの連絡だと思い込んでしまうのではないでしょうか。

 

 覚えがないと答えると、「払い過ぎた保険料の還付手続きの期限は今月末までとなっており、まだ手続きがされていない人に個別に電話で案内しています。新型コロナウイルスの感染防止のため、市役所に出向くことなく銀行振り込みで返金します。振込先の銀行を教えてください」と言われ、銀行名を答えると、「後で銀行の担当者から電話をさせます」と言って電話が切れました。しばらくすると、銀行の担当者を名乗る者から電話があり、「還付金を受け取るには1400円の手数料がかかりますが、100万円以上の残高がある方は手数料がかかりません」と言うので、100万円以上の残高があることを伝えると、「キャッシュカードと携帯電話を持って、近くのスーパーの敷地内にある銀行のATMへ行ってください」と言われATMへ向かいました。そしてATMに着き、携帯電話でさきほどの担当者の指示に従いキャッシュカードを差し込み、残高の数字を右から順番に読み上げました。

 

 この60代の女性は、間違って残高のほとんど残っていないキャッシュカードを持ってATMへ行ったため被害を免れました。もし残高が100万円以上のカードだったら、わずかの端数を残して他人の口座に送金させられていたことでしょう。これが「還付金詐欺」の手口です。今年3月以降、青森県内で相談が急増しています。60代の女性からの相談が突出しており、この年代が狙い撃ちされていると言っても過言ではありません。

 

 役所が還付金を支払うためにATMを操作させることは絶対にありません。「還付金がある」などという電話で、「手続きのためにキャッシュカードと携帯電話を持ってATMへ行って」と言われたら、それは詐欺です。電話を切って相手にしないようにしましょう。

 

 おかしいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン「☏188」(いやや)に早めにご相談ください。

青森県消費生活センター 土日祝日も相談受付中! 017-722-3343

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