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5月は消費者月間です

 消費者保護基本法(消費者基本法の前身)が1968年5月に施行されてから20周年を迎えたことを機に、1988年から毎年5月が消費者月間とされました。今年は、「デジタルで快適、消費生活術~デジタル社会の進展と消費者のくらし~」を統一テーマとし、消費者が消費生活のデジタル化を快適に進めていくきっかけを作ることを目指しています。

 

 デジタル化が進むことにより、多様なコミュニケーションやサービスの利用が可能となり、生活の利便性が増す一方、新たな消費者トラブルが発生しています。2022年度に県内の消費生活センターに寄せられた相談の1割強を占め過去最高の相談件数となったのは、インターネット通販の定期購入トラブルでした。実在するクレジット会社や大手通信販売会社を騙るメールで、セキュリティー強化のためであるからと、IDやパスワードを入力させる画面に誘導し、IDやパスワードを盗み取り、知らないうちにクレジットカード等を不正利用される被害も後を絶ちません。最近では、遠隔操作アプリをダウンロードさせ、スマホやパソコンを意のままに操作して消費者金融から勝手に借金をする悪質な手口が現れています。遠隔操作アプリは、パソコン等にトラブルが生じた際に、メーカーのサービス担当部門が端末の状態を確認するなどの正当な目的で使用されるものですが、この機能を悪用したものです。この手口は、副業サイトに関するトラブルの中でよく見られ、400万円以上の借金をされた事例もあり、注意が必要です。このような被害に遭わないためには、デジタルサービスの仕組みやそのリスクを理解して、情報の正確性を見極める力や、適切に活用するための情報モラルを身に付けることがとても重要です。

 

 高齢者に限らず、デジタルと聞いただけで苦手意識を持つ方もいるかもしれません。誰一人取り残さない社会を実現するには、苦手な人にも配慮した取組みが不可欠です。得意な人もそうでない人も消費者月間を機に、等しくデジタル化の利益を享受できるよう、ともに歩んでいけるような社会を目指したいと思います。その過程で、思わぬトラブルに巻き込まれそうになった時は、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

その注文、定期購入ではありませんか?

 肌を10歳若返らせる美容クリーム「初回無料」という広告を目にすると、思わず試してみたくなってしまうかもしれません。この「初回無料」は、実は大きな落とし穴で、無料の条件として、継続購入回数が決められている「定期購入」の場合があります。全国的なネット通販利用拡大を背景に、県内でも定期購入に関する相談が大幅に増加し、特に50代、60代の女性からの相談が多くなっています。
 スマホを見ていると、無料の美容液の広告が表示されました。広告には、さらに980円を払うとクリームもついてくると書かれていたので、氏名、住所、電話番号を入力しました。後日、美容液とクリームが届きましたが、同封された請求書の金額は1万4千円になっており、納品書には「2回継続コース(2万8千円)」と記載がありました。定期コースを申込んだつもりはないので、驚いて業者に電話をしましたが、「問い合わせはメールで」という音声が流れるだけでオペレーターにつながりません。どうしたらよいか、といった相談です。
 消費生活センターが業者に確認したところ、「相談者が言う申込日の後日に2千円のコースへの申込みがあり、その際に継続購入回数2回のお得な定期コースを案内したところ、相談者からコース変更の申し込みがあった。今回は変更後のコースの商品を送付したもので、変更すると自動的に最初の注文がキャンセルされる仕組みである」という説明でした。センターから、相談者は「定期コース」の表示がなかったと主張していると伝えると、今回だけ特別に2回目以降の解約に応じることで解決しました。
 令和4年6月施行の法改正により、インターネットによる通信販売業者は、申込の最終確認画面に定期購入であること等の情報を表示する義務が課され、違反した表示により消費者が誤認をして申込みをした場合は取り消すことができるなど、規制の強化が図られました。このため、消費者にとって最終確認画面の確認は非常に重要です。定期購入が条件になっていないか、解約・返品できるかなどをじっくり確認するとともに、画面をスクリーンショットで保存するようにしましょう。
 困ったら、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

◆トラブルを防ぐために◆
1 注文確定前に「最終確認画面」で条件等を必ず確認する

2 「最終確認画面」のスクリーンショットを保存しておく

3 困った時は消費者ホットラインにすぐ相談

賃貸住宅の退去トラブル

 賃貸住宅にまつわるトラブルで最も多いのが退去時のトラブルです。改正民法では、退去にあたり元の状態に戻して貸主(管理者)に引き渡すことは、借主(居住者)の義務だと明記されました。とは言え、仮に新築のアパートに住んでいたとしても、新築の状態に戻すことを求めるわけではありません。壁紙や床のフローリングなど、誰が住んでも時間の経過とともに自然に劣化する「自然損耗・経年変化」については貸主が費用を負担すべきものです。一方、借主がつけた傷や日頃の掃除を怠ったために広がった汚れ、タバコのヤニなどは借主が原状回復をしなければなりません。

 県内でこんな相談がありました。相談者が、4年間住んでいたアパートを退去することになり、その際、居住中にバスルームで喫煙していたことを管理会社に伝えたところ、後日、管理会社から「掃除をしてもタバコの臭いが取れないので、バスルームを交換することになった。交換費用として60万円を負担して欲しい」と連絡がありました。自分ではタバコの臭いを全く感じないのだが、費用を負担しなければならないのかというものです。

 国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成しています。法的拘束力はありませんが、原状回復に一定の基準が示されています。ガイドラインでは、借主が費用負担の義務を負う場合、居住年数が長いほど負担割合が減少し、施工単位も可能な限り毀損部分に限定し最低限度の施工単位とすることを基本とします。例えば、わずか数センチ程度の穴を補修するために壁紙全体の修繕費用を負担する必要はありません。今回の相談事例のユニットバスについては、本当に交換が必要なのかを含め、減価償却の考え方などについて専門家の見解を聞いた方がよい内容だと思われます。

 多くの場合、退去時の原状回復については契約書の特約条項に明記されています。国土交通省のガイドラインとは異なる内容になっていたとしても、契約書の内容が有効になることがあります。退去時のトラブルは、契約の時点から始まっているとも言えますので、入居する際に慎重に契約を結びましょう。少しでも不安な時は、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

◆トラブルを防ぐために◆
1 契約前に、契約書類の内容をよく確認

2 自然損耗・経年変化は貸主の負担

3 困った時は消費者ホットラインにすぐ相談

老人ホームの入居権に関する電話に注意!

 「特殊詐欺」という言葉をテレビや新聞でよく耳にされるのではないでしょうか。「特殊詐欺」とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みやその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪の総称です。オレオレ詐欺や還付金詐欺などがありますが、2014(平成26)年頃には、大手企業を名乗る人物や弁護士などの複数の人物が登場し、まるで劇場で芝居を見るように被害者を騙すためのストーリーが展開される「劇場型」と呼ばれる手口が急増しました。その手口が、県内でも再び増加しています。

 ある日、大手企業を名乗る男性から電話があり「あなたの住んでいる地区に、老人ホームを建てることになりました。その優先入居権を持つ人のリストにあなたの名前が載っていますが、入居する予定はありますか」と聞かれました。自分は元気だし、老人ホームなどに入居するつもりもないので、「必要ありません」と断わると、入居権を他の人に譲るよう頼まれたので、特に気にすることもなく「構いません」と答えました。するとその日のうちに、老人ホームの運営会社を名乗る人から「1千万円のご入金、ありがとうございました」と電話がありました。自分が振り込んだものではないと伝えると「名義貸しは犯罪だ。このままだと逮捕され拘置所に入ることになる」と言われ、弁護士に相談するよう勧められ、連絡先を伝えられました。その弁護士に連絡をすると、「このままだと資産をすべて差押えられてしまうので一時的に避難させましょう」と言われ、銀行から預金をすべて引き出し、指示通り「野菜」と品名を書いた箱に現金を入れて指定された住所に複数回に分けて宅配便で送りました。資産のほぼ全額を送った後で、詐欺の被害に遭ったのではないかと急に不安になり、消費生活センターに相談したという事例です。

 老人ホームの入居権に関する電話は詐欺の手口です。不審な電話がかかってきたら、すぐに電話を切りましょう。留守番電話機能を利用して、かかってきた電話には出ず、必要に応じて後でかけ直す方法も有効です。業者が持ち掛けてくる話は非常に巧妙にできていますが、話をうのみにせず、絶対にお金を払ってはいけません。

 少しでも不安な時は、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

不審な電話には要注意!!
1 老人ホームの入居権を譲ってという電話は詐欺!

2 不審な電話は相手にせずすぐに切る

3 少しでも不安な時は消費者ホットラインに相談する

模倣品に関するトラブルに注意!

 便利なインターネット通販で、憧れのブランド商品を見つけたら、つい買ってしまうこともあると思います。20代の男性が、大手通販サイトでブランドのスニーカーを購入し、銀行振込で代金を支払いました。しばらくすると税関から「あなた宛てに海外から送られてきた荷物は模倣品(コピー商品)の疑いがあり、税関にて没収、廃棄される恐れがある。」と書かれた文書が届きました。すぐに通販サイトに記載の連絡先に電話をしましたが、呼出し音が数回鳴ったあとでぷつりと切れてしまい、連絡を取ることができませんでした。この事例のような、通信販売でのブランド商品購入に関する相談が寄せられています。

 2022年10月から、海外の事業者から日本に模倣品が送付された場合の水際の取り締まりが強化されました。それまでは、模倣品であっても、個人使用が目的である場合は受取りが可能でしたが、今年10月以降は、個人使用目的でも模倣品を受け取ることができなくなりました。海外から送付された商品が、税関で知的財産権を侵害する疑いがあると判断された場合、購入者には税関から「認定手続開始通知書」が届きます。税関が知的財産権を侵害する物品に該当すると認定した場合は、その模倣品は没収、廃棄されてしまいます。

 このような被害を防ぐためには、信頼できる商品サイトなのか見極めることが大切です。見分けることは難しいですが、いくつかチェックポイントがあります。①日本語の字体や文章表現が不自然、②価格が通常より安い、③市場では希少なものがこのサイトでは入手可能、④事業者の名称、住所、電話番号が記載されていない、⑤問合せ先のメールアドレスがフリーメール、⑥支払方法が銀行振込または代金引換配達のみ、などです。これらの項目に複数該当するサイトは注意が必要です。

 通信販売では、事業者情報や解約・返品のルールなどの取引内容を見やすい箇所に、明瞭に判別できるように表示することが法律で義務付けられています。これを「特定商取引法に基づく表記」といいます。通信販売でブランド商品を購入する際は、商品サイトをよく確認し、少しでも不審に感じたら、購入は避けましょう。

 困った時は、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

こんな通販サイトは要注意!!
1 日本語の字体・文章表現が不自然

2 価格が通常より安い

3 事業者の名称、住所、電話番号の記載がない

4 支払方法が銀行振込または代金引換配達のみ

絶対に無視しないで!会費請求の督促

 20年も前に契約した「複合サービス」会員の会費の督促が届いたという相談が40代の方から寄せられています。今から20~30年前、若者を狙って電話で呼び出し、高額な商品を契約させる「デート商法」や「アポイントメントセールス」などの悪質商法による被害が多発していましたが、その二次被害ともいえる相談が最近増えています。
 20年ほど前、20歳になったばかりの頃に、電話で女性に呼び出され、資格が取れるなどの学習教材のDVDを購入すると、ホテルやレジャー施設が安く利用できる「複合サービス会員」になれると勧められ契約をした。いつまで会費を支払っていたのかなど全く記憶になく、DVD購入のために借りたローンの支払いが5年ほどで終わったことや、会員向けに毎月届いていた冊子などが届かなくなったこともあり退会になったと思っていた。契約当時は実家に住んでいたが、その後2、3度引越しをした。引越し先にも何度か手紙が届いていた気がするが、関係ないと思い、手紙はすべて読まずに破棄していた。最近になって、簡易裁判所から「支払督促」が届いた。直近2年間の会費の未納分75,600円を支払えという内容になっている。契約書も残っておらず、正式に退会手続きをしたかも覚えていない。どのように対応したらいいか、という事例です。
 こうした事例では、本人は契約した意識が薄いため、会員契約のことはすっかり忘れてしまうことが多い一方、正式に退会手続きを取らない限り、会費の支払い義務は負ったままになります。
 会費が未払いになると、会費の督促の手紙が届き、内容も段階的に強く督促する文面に、また郵送方法も普通郵便から特別送達などに進んでいきます。

 普通郵便での督促の段階で消費生活センターに相談をすると、相談員があっせんし、退会手続きにつなげることができます。しかし、裁判所から「支払督促」が届く段階に至ると、相談員のあっせんによる解決が難しくなります。
 これまで県内では、裁判所からの「支払督促」の特別送達に至った事例はありませんでしたが、今年になって裁判所からの「支払督促」に至った事例が複数発生しています。こういった手口は、架空請求との見分けがつきにくい点に対応の難しさがありますが、絶対に放置せず、お早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

トラブルを防ぐために気をつけること
1 20年も前に契約した会費の督促が届く事例があることを知る

2 会費等の未納の請求があったら、絶対に放置せず、早めに消費者ホットラインに相談する

3 裁判所からの「支払督促」が届いても、あきらめずに消費者ホットラインに相談する

住宅リフォームのトラブル

 2022年は、冬は豪雪、夏には豪雨と県内は激しい天候の変化にさらされました。その災害から私たちを守ってくれた家も、相当のダメージを受けたと思われます。今回は、住宅リフォームをしようとしたところ、予想もしないトラブルに巻き込まれてしまったという事例を紹介します。

 住宅の屋根と外壁のリフォームをしようと思い、インターネットでリフォーム業者を検索したところ、無料で業者を紹介するサイトを見つけました。申込みフォームに入力すると、3社ほど紹介され、後日見積書を持ってきた中で最も価格の安かった業者と220万円でリフォーム工事の契約をしました。契約締結時に170万円を支払い、残金50万円は工事完成後に支払うことになっていましたが、業者から「材料の誤発注をしてしまい、至急再発注する必要があるため、残金を支払ってくれないか」と頼まれたため、やむを得ないと思って残金を支払いました。ところが、工事が半分ほど進んだところで、業者が突然来なくなり、電話にも出なくなりました。メールを送信すると、「工事はします」と返信があるものの、一向に工事は再開されないという相談です。

 工事の請負契約を結ぶ場合、代金の支払い方法としては工事前と工事完了後の2分割、または工事の中間を含めた3分割などで支払うのが一般的です。代金の全額前払いを求める業者は、資金繰りが相当困難であることが推察されますので、そのような業者とは、契約をしないのが無難です。 

最近は気軽にネットで検索して業者選びをすることも多いと思いますが、ネットの情報は必ずしも確かなものとは限りません。だからといって、信頼できる業者かどうかを消費者が自力で判断するのも容易ではありません。工事契約をする前はリフォームの業者選びや見積りが適正かなどを相談できる「住まいるダイヤル」(電話:0570-016-100)などの専門相談機関を利用することをお勧めします。また、工期の遅延や中断に備えて、約款に遅延保障条項があるか確認したり、完成保証制度の利用について事業者に確認しましょう。 

 困った時は、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

トラブルを防ぐために気をつけること
1 工事代金の全額前払いを求める業者との契約は避ける

2 工事契約の前に「住まいるダイヤル」などの専門相談機関を利用する  

3 困ったら消費者ホットライン188に相談

オンラインカジノ

 テレビや新聞の報道がきっかけで、「オンラインカジノ」の存在がクロースアップされました。インターネット上でギャンブルをするオンラインカジノは、運営が海外事業者でも、手軽にいつでも参加できるため、依存症に陥りやすい特徴があります。他県では、大学生がポーカーゲームにのめり込み、数百万円をつぎ込んでしまった事例もありました。しかし、海外のカジノでも日本国内から参加すると賭博罪に問われる恐れもありますから、関わらないようにしましょう。一方、オンラインカジノに関する相談では、プレイするだけではなく、別の側面からのトラブルもあります。
 21歳の会社員の女性に、高校の同級生から「ゲームの広告をして稼いでいる。話を聞かないか」とメッセージが届き、後日オンライン形式で説明を受ける事になりました。説明の中で、「オンラインカジノをSNS上で宣伝する人を募集している。儲かるし、一緒に仕事をする仲間を紹介すればマージンも入る。仕事を始めるには最初に有料の会員登録をする必要があるが、みんなやっているから大丈夫。絶対に儲かるから心配しないで」と勧誘され、勧められるまま消費者金融2社から77万円を借入れ、指定された銀行口座に全額振り込みました。ところが、人を紹介することは簡単にできず、消費者金融からの督促に追われるようになってしまったという事例です。
 はじめに登録料などの名目で一定の金額を支払い、人を紹介してマージンを得るという仕組みはマルチ商法に該当します。昨今、「モノ無しマルチ」と呼ばれる、オンラインカジノの宣伝をはじめとした副業や暗号資産などへの投資に関する悪質な手口が増えています。「お金がない」と言うと、消費者金融に職業や年収を偽って借入れをするよう指示し、その結果、返済ができず自己破産に至るといった深刻な事態に陥るケースもあります。成年年齢の引き下げにより、知識や経験の乏しい若者が被害に遭うことが懸念されます。儲け話を持ちかけられたら、「お金がない」ではなく、「要りません」「必要ありません」ときっぱりと断りましょう。
 困った時は、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

トラブルを防ぐために気をつけること
1 儲け話を持ちかけられても、「いりません」「必要ありません」ときっぱり断る。

2 賭博罪に問われる恐れがあるので、オンラインカジノには関わらない。

3 困ったら消費者ホットライン188に相談

蜂の駆除サービス

 暑さが続き、身近な場所で蜂を見かける機会が増えたのではないでしょうか。特にスズメバチは攻撃性が強く、8月から10月にかけては最も活動的になる季節だそうです。ブーンという羽音を聞いただけで、反射的に身を低くして逃げ出したくなりますが、蜂は人間の営みのすぐそばにいます。知らぬ間に軒下や植え込みの中に巣が作られているのを見つけたら、衝撃を受けてしまうこともあるでしょう。

 蜂の巣に関してこんな相談がありました。家の軒下にスズメバチの巣があったので、慌ててインターネットで駆除業者を探したところ、「料金1万3千円~」という広告を見つけ、その業者に駆除を依頼しました。翌日、業者が来て作業を開始しましたが、作業の前に料金の説明などはなく、作業中にいくらかかるのか尋ねても、「終わってみないとわからない」としか答えません。作業完了後、その場で請求書を渡されましたが、請求金額は27万円と非常に高額になっていました。手持ちの現金では払えないため、業者にはいったん帰ってもらいましたが、請求書には1週間以内に振り込むようにと書かれており、どうしたらよいかという事例です。

 このような、くらしの中の思わぬトラブルに遭い、急いで調べた業者に依頼したところ、当初の想定を大幅に超える高額な請求をされたというトラブルが後を絶ちません。

蜂の巣の駆除の場合、巣が大きかったり、複数あったり、駆除が難しい場所にある場合などは、費用も高額になる傾向があります。依頼する際は、作業前に作業内容と料金を確認し、料金が想定と異なる場合は、すぐに依頼せず、複数の業者から見積をとって、比較・検討することが重要です。作業前に十分な説明をしない業者に依頼するのは避けましょう。また、ネット検索を過度に信用せず、万が一に備え、日ごろから信用できる業者を調べておくことも大切です。自治体によっては駆除業者の紹介などを行っている場合もありますので、まずはお住まいの自治体に確認してみましょう。

困った時は、早めに消費者ホットライン188にご相談ください。

 

トラブルを防ぐために気をつけること
1 作業前に作業内容と料金を確認し、説明がない業者には依頼しない

2 自治体で紹介している駆除業者がないか確認する

3 困ったら消費者ホットライン188に相談

テレビショッピングの利用にはご注意を!

 テレビショッピングで紹介される商品は、お店で売っている商品と少し違う特別感があって、つい買ってしまうという方は少なくないでしょう。商品の実物を見ずに注文するため、商品が家に届くまでの期待感もあるかもしれません。その一方で、その期待感を裏切るトラブル事例も少なくありません。特に高齢者の消費生活相談は全体の8割を占めています。
 60代の女性が、卓上冷風扇を2台注文しました。ところが、届いた商品にはACアダプターがついておらず使用できませんでした。事業者に連絡すると、ACアダプターは別売りだと言います。番組では別売りとの説明はなかったと抗議しましたが、担当者はただ謝るだけで、結局2台分のアダプターを購入することになりました。アダプターが届いていざ冷風扇を使用してみると、生ぬるい風が出るだけで冷風になりません。返品しようと電話をしたところ、一度通電した電気製品の返品はできないと拒否されたという事例です。
 番組の中で「返品可能」と紹介されていても、「未開封・未通電に限る」などの細かい条件が付いていることがあります。限られた放送時間内で、画面上に表示される文字は小さく、重要事項を見逃してしまう恐れがあります。テレビショッピングを含めて通信販売にはクーリング・オフ制度はなく、業者の決めた「返品不可」などの特約や利用規約に従わなければなりません。注文する前にオペレーターに契約条件や返品の可否を確認することも大切です。また、一部の事業者の中には、大幅値引きをして販売しているように見えても、一般的な商品に備わっている性能を有していない粗悪ともいえる商品を販売しているケースも見受けられます。商品の印象やお買い得感ばかりに気を取られずに、かしこい商品選択ができる消費者として楽しくテレビショッピングを利用してください。 
おかしいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン188にご相談ください。

 

トラブルを防ぐために気をつけること
1 契約条件や返品の可否を注文前にオペレーターに確認する

2 商品の印象やお買い得感ばかりに気を取られないように注意する

3 困ったら消費者ホットライン188に相談

青森県消費生活センター 土日祝日も相談受付中! 017-722-3343

●相談受付時間/平日9:00~17:30 土日祝日10:00~16:00 ●休日/年末・年始
〒030-0822 青森市中央三丁目20-30 県民福祉プラザ5階

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