【相談】海産物の強引な電話勧誘にご用心!
【事例】
昨日、見知らぬ業者からスマートフォンに電話があり、海産物のセットの購入を勧められた。「福島第一原子力発電所の処理水の放出問題のせいで、ホタテや海産物が余ってたいへんだ」と話していた。最初は、15,000円と言っていたが、購入を渋っているうちに、12,000円に値引きすると言われたが断った。断り続けていたがあまりにもしつこく勧誘されたため、根負けして承諾してしまった。商品は1週間後に届く予定だが、欲しくて申し込んだわけではないので、やはり断ろうと業者にキャンセルの電話をしたが、呼出し音が鳴るだけで電話に出ない。解約することはできないか。
( 契約当事者:50代 女性 )
<センターの対応>
相談者から聞き取った連絡先に電話をしてみましたが、相談者の言う通り、呼出し音は鳴るものの誰も出ず、折り返しの連絡もありませんでした。相談者の着信履歴を見てもらうと、携帯電話番号から勧誘の電話が入っていたため、海産物の契約をクーリング・オフすること、この件については消費生活センターに相談していることをショートメッセージサービスで送信するよう助言しました。
後日、代引き配達で荷物が届きましたが、送付状に書かれた住所・業者名を画像に残し、受取りを拒否しました。その上で、改めてクーリング・オフのハガキを業者宛てに送付して終了したと相談者から報告がありました。
<アドバイス>
海産物の強引な電話勧誘に関する相談が依然として多くなっています。一度も取引をしたことがないのに、「以前購入してもらった方に電話をしています」と、これまでも付き合いのあった業者のように親しげに迫ったり、新型コロナウイルスの感染が拡大し、海産物等の消費量が激減していることが報道されると、「新型コロナウイルスの影響で商品が売れずに困っており廃業も考えている。助けて欲しい」と情に訴えて契約させようとします。最近も、事例のように福島第一原子力発電所の処理水放出による、中国の海産物禁輸措置の影響に便乗して、人の善意につけ込むようなトークで勧誘をしていると思われます。
このように販売された海産物をいざ受け取ってみると、貧相な加工品ばかりでとても価格に見合うような商品ではなかったり、きっぱり断ったにもかかわらず代引配達で商品を送りつけるなど問題点が多数見受けられます。
はっきりと業者名を名乗らない、必要以上に情に訴える、強引な勧誘を続ける電話は、相手のペースに巻き込まれる前にきっぱり断り、電話を切りましょう。このような勧誘の電話を切ることは相手に失礼などと配慮する必要はありません。
また、業者からの電話勧誘で契約をした場合は、契約書面を交付された日から数えて8日以内であれば、クーリング・オフが可能です。クーリング・オフは書面またはメール等でも可能です。
少しでも怪しいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン☎188に相談してください。
【相談】保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意
【事例】
「火災保険を使って家の修理をしないか」という電話があり、自己負担無しで家の修理ができるのであればと思い承諾した。翌日業者が来訪し、雨どいの写真を撮り、火災保険の申請サポートと雨どいの修繕工事の契約をした。しかし、契約書をよく見ると「万が一、保険金が支払われたにも関わらず、弊社の指定工務店にて工事されない又は保険金のお支払いをしてたいただけない場合が生じたときには、誠に不本意ながら、現地調査費用と申請書作成費用として、受取保険金の50%をお支払いいただきます」と記載があった。保険金の範囲内で工事をしてくれるなら問題はないと思うが、家族が心配してネットで調べたら、火災保険の申請代行をするという業者に関するトラブルが多いことを知り、クーリング・オフをすることを勧められた。クーリング・オフの方法を教えて欲しい。
( 契約当事者:60代 男性 )
<センターの対応>
相談者は既にクーリング・オフのハガキを準備しており、内容に問題はなかったため、そのまま書留で発送しました。念のため相談を受け付けた消費生活センターから業者に連絡し、クーリング・オフする旨伝えたところ、了承されました。
<アドバイス>
火災保険を使って住宅の修理をしないかと持ちかける業者に関する相談が令和3年度以降県内でも寄せられるようになりました。しかし、令和5年度に入って相談が急増し、7月までで、前年同期比の13倍を超える相談となっています。
これまでは。保険金の請求を代行するとうたったインターネット広告を見て、自ら申込みをする事例が多く見受けられましたが、最近では電話勧誘販売もしくは訪問販売が圧倒的に多くなっており、契約当事者の年代もほとんどが60代以上となっています。
この手口の最大の問題点は、風雪水災等の突発的な出来事により生じた損傷ではない、経年劣化による損傷を災害と偽って保険金請求をするよう促す点です。このような虚偽の申請は「詐欺」に該当する可能性があります。
また、次の問題は、業者に支払う高額な報酬です。支払われた保険金の35~40%を報酬として請求します。保険会社が支払う保険金はあくまで修理費用分ですから、報酬を差し引いた保険金額では修理をすることはできません。そもそも、保険金の請求は契約者自身が保険会社に請求すべきものですし、サポートが必要であれば、担当の保険代理店にお願いすればお金がかかることはありませんので、高額な報酬の支払いは必要ありません。
風雪水災等で住宅の損傷がわかったら、加入している保険会社に自ら問合せをし、「火災保険を使って住宅を修理しないか」と勧誘する業者とは関わらないようにしましょう。
少しでもおかしいと思ったら、お早めに消費者ホットライン☎188(いやや)に相談をお願いします。
人気インテリア家具や雑貨等の公式通信販売サイトを装った偽サイトに関する注意喚起(消費者庁ウェブサイトへリンク)
【相談】絶対に無視しないで!複合サービス会員費請求の督促
【事例】
突然、簡易裁判所から「支払督促」の書類が特別送達で届いた。20年ほど前、20歳になったばかりの頃に、電話で女性に呼び出され、資格が取れるなどの学習教材のDVDを購入すると、ホテルやレジャー施設が安く利用できる「複合サービス会員」になれると勧められ契約をした。いつまで会費を支払っていたのかなど全く記憶になく、DVD購入のために借りたローンの支払いが5年ほどで終わったことや、会員向けに毎月届いていた冊子やハガキが届かなくなったこともあって退会になったと思っていた。契約当時は実家に住んでいたが、その後2、3度引越しをした。引越し先にも何度か手紙が届いていたような気がするが、関係ないと思い、手紙はすべて読まずに破棄していた。
今回、簡易裁判所から届いた「支払督促」は、直近2年間の会費の未納分75,600円を支払えという内容になっている。20年も前のことなので、契約書も残っておらず、正式に退会手続きをしたかも覚えていない。この支払督促についてどのように対応したらいいか。
( 契約当事者:40代 男性 )
<センターの対応>
消費生活センターから業者に連絡をし、毎月届いていた冊子やハガキが届いておらず、既に退会手続きを取っている可能性があるため、調べた上で支払督促を取り下げてもらうようお願いしたところ、「裁判所での手続きに入った案件については、対応できない。異議申立書に記載し、裁判所に提出してもらえれば、内容を確認してこちらで検討する。」という回答でした。異議申立書は2週間以内に提出する必要があるため、早めに弁護士会に連絡し、弁護士に異議申立書の内容と今後の対応について相談するよう助言しました。
<アドバイス>
20年~30年ほど前に勧誘された「デート商法」や「アポイントメントセールス」などの悪質商法による深刻な二次被害ともいえる相談が寄せられています。
過去の「デート商法」や「アポイントメントセールス」の手口では、成人になったばかりの若者を電話で呼び出し、資格取得のための学習教材のDVDなどを契約すれば、特典として海外旅行に安く行けるとかホテルやレジャー施設を安く利用できる「複合サービス会員」になれるなどと長時間に渡って勧誘し、契約させて毎月の会費を請求します。
始めは、銀行口座から会費が引き落とされても、その後、就職や転居、結婚等の様々な理由で口座引き落としができない等の会費未払いの状態に陥る場合があります。本人は契約した意識が薄いため、会員契約のことはすっかり忘れてしまうことが多い一方、正式に退会手続きを取らない限り、会費の支払い義務は負ったままになります。
会費が未払いになると、会費の督促の手紙が届き、内容も段階的に強く督促する文面に、また郵送方法も普通郵便から特別送達などに進んでいきます。
普通郵便での督促の段階までは、消費生活センターに相談をすると、消費生活センターがあっせんし、退会手続きにつなげることができます。しかし、放置を続け、裁判所から「支払督促」が届く段階に至ると、消費生活センターでのあっせんにより会費を払わずに解決することが難しくなる恐れがあります。
これまで県内では、裁判所からの「支払督促」の特別送達にまで至った事例はありませんでしたが、今年になって裁判所からの「支払督促」に至った事例が複数発生しています。こういった手口は、架空請求との見分けがつきにくい点に対応の難しさがあります。このような請求があった場合に、身に覚えがないとか、どうせ脅しだと高をくくって無視していると痛手を負うことになりかねません。絶対に放置せず、お早めに消費者ホットライン☎188(いやや)に相談をお願いします。
【相談】暗号資産への投資を持ちかけるマルチ商法にご注意ください!
【事例】
2週間ほど前、知人の紹介で暗号資産の投資システムを勧められ、友人と一緒にオンラインセミナーを受講した。A投資会社から、「アプリのシステムを使えばお金が儲かる。このシステムを誰かに紹介することにより自分にお金が入ってくる。今から始めないと後悔することになる。」などと言われ、実際に投資をしているという人の体験談を聞いた。システムは14万円コースと21万円コースの2つがあるというので、14万円のコースを選んで投資会社に14万円を振り込んだ。それとは別に、暗号資産に投資するために100万円を振り込んだ。契約書や概要書面はメッセージアプリで受け取った記憶はあるが、詳しい契約内容はわからず、投資会社の住所や電話番号は不明。連絡手段はメッセージアプリだけである。何となく怪しいのではないかと感じているので、クーリング・オフをしたい。どのように通知すればいいか教えて欲しい。
(20代 女性 給与生活者 )
<センターの対応>
暗号資産を購入する人を紹介させる販売形態は、マルチ商法(連鎖販売取引)に該当し、特定商取引法において様々な規制が設けられています。マルチ商法では、「契約書」やビジネスの内容や仕組みの詳細が書かれた「概要書面」を交付することが義務付けられています。一般的にクーリング・オフ期間は8日間であることが多いですが、被害に気付くことが遅れがちな連鎖販売取引においては、クーリング・オフについて書かれた書面を交付された日、もしくは商品を受け取った日のいずれか遅い日から20日間がクーリング・オフ期間となります。
消費生活センターでA投資会社のホームページを探してみましたが、見つかりませんでした。また、金融庁にA投資会社が暗号資産交換所としての登録があるか問合せてみると、登録がないことがわかりました。
クーリング・オフのハガキを送るにも住所が不明であるため、取り急ぎメッセージアプリでクーリング・オフすることを通知してもらいました。
後日、相談者から連絡があり、A投資会社から、クーリング・オフを受け付けること、支払い済みの14万円と100万円は、別の暗号資産に交換したうえで相談者の口座に返金するという内容のメッセージが届いたという報告がありました。
<アドバイス>
県内でも、暗号資産への投資を持ちかけるマルチ商法に関する相談が寄せられています。
暗号資産は、日本円やドルなどのように、国がその価値を保証している「法定通貨」ではなく、インターネット上でやり取りされる「電子データ」です。
暗号資産は価格が変動することがあり、価格が上がる可能性もある反面、急落して大きく損をするリスクもあります。リスクの説明が全くなく、誰でも利益を得られるような説明を信じないようにしましょう。
また、暗号資産と法定通貨の交換や暗号資産同士の交換を行う暗号資産交換業を行うには、金融庁・財務局への登録が義務付けられていますので、もし暗号資産への投資を勧められた場合、暗号資産交換業の登録の有無を必ず確認してください。登録のない業者とは絶対に取引してはいけません。
他県では、無登録で暗号資産への投資を勧めていた業者が逮捕された事例もあります。
また、海外の投資会社の事例も寄せられており、その場合、日本国内に拠点がなく、連絡先が不明であれば、消費生活センターで取り扱いも難しく、金融庁の相談窓口(金融サービス利用者相談室)を紹介することになります。
複数の友人をこの投資ビジネスに誘った結果、その友人たちも被害を受けたという事例もあり、勧誘することにより、被害者が加害者になるのもマルチ商法の怖いところです。
令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることで、社会経験の乏しい若者がマルチ商法のターゲットにされることが懸念されます。SNSで知り合った人、学校の先輩等々が「いい話がある。」と持ちかけてきたら、まずは疑ってみることです。
少しでもおかしいなと感じたら、お金を払う前に消費者ホットライン188に相談してください。
詳しくはこちらのホームページもご覧ください。
■金融庁ホームページ
金融サービス利用者相談室 皆様の「声」をお寄せください!:金融庁 (fsa.go.jp)
■国民生活センターホームページ
【若者向け注意喚起シリーズ<No.2>】情報商材や暗号資産(仮想通貨)のトラブル-「もうかる」はずが、残ったのは借金…-(発表情報)_国民生活センター (kokusen.go.jp)
友だちから誘われても断れますか?若者に広がる「モノなしマルチ商法」に注意! (kokusen.go.jp)
【相談】「保険が使える」にご用心!
【事例】
高齢の母宅に、知人が見知らぬ業者を連れてやって来た。その業者は火災保険を使って雨どいの修理をしないかと持ちかけてきた。自然災害で壊れたことにして保険会社に請求すれば保険金がもらえると言う。知人の勧めでもあるし悪い話ではないと思い、保険金の請求手続きをサポートするという契約をすることにした。その業者が見積もった修理費用は約220万円となっている。契約書面を見ると、その業者への報酬として保険金額の40%を支払うことになっているが、母はそのような説明は受けていない。さらに、保険金の請求手続きのために、契約者自ら電話をしてこの通り伝えるようにとシナリオのような紙を渡されていた。母は、それに従って保険会社に電話をしたが、保険会社が不審に思ったようで、後日訪問し詐欺の可能性があるので警察に連絡するよう助言された。警察に連絡したところ、クーリング・オフについて説明を受け、詳しくは消費生活センターに相談するよう案内された。クーリング・オフについて教えて欲しい。
( 契約当事者:70代 女性 )
<センターの対応>
消費生活センターに相談があったのは、契約書を渡された日から9日目で、クーリング・オフ期間を過ぎていました。とはいえ、そもそも違法性が疑われる契約だったことから、相談者了承のもと、消費生活センターから業者に電話をし、クーリング・オフする旨を伝えたところ、センターからの電話でクーリング・オフに応じることになりました。
<アドバイス>
火災保険を使って住宅の痛んだ部分の修理を持ちかける保険申請代行に関する相談が増加しています。この手口については、かねてより損害保険協会や損害保険各社が注意・喚起をしており、昨年度までに県内での相談はありませんでした。ところが、令和3年4月以降県内でも相談が寄せられるようになりました。
保険金の請求を代行するとうたったインターネットの広告を見て、自ら申込みをする事例のほか、知人の紹介という事例も見受けられます。
火災保険は、突発的で予知されない出来事による損害のみが保険金支払いの対象となり、経年劣化による損害は支払いの対象外です。本当は経年劣化による損害であるにも関わらず自然災害による損害だと嘘の理由で保険金を請求すると「詐欺」に該当する可能性があります。また、保険金は保険会社や保険代理店を通して請求すればお金はかかりませんので、高い手数料を支払ってまで業者に依頼する必要はありません。
申込み後に不安を覚えて解約を申し出たところ、保険金額の40%の違約金を請求されたという事例もあります。
少しでも怪しいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン☎188に相談してください。
【相談】羽毛布団のリフォーム業者にご注意ください!
【事例】
福祉関係の事業所の者であるが、担当している一人暮らしの高齢者女性宅を訪問したところ、2人の男性が家の中にいた。高齢者の了解を得て男性らから話を聞くと、男性は布団のリフォーム業者で、羽毛布団のリフォームを19,800円で引き受けており、怪しい者ではないと言う。まだ契約前で、女性はリフォームを依頼するつもりはないということなので、男性らには帰ってもらった。
男性らが帰った後で、改めて女性に事情を聞くと、自宅の庭にいたところ、2人の男性が訪問し、「以前に布団を購入してもらった際の販売業者が倒産し、当社が布団のフォローを引継ぎましたので、布団を見せてください。」と言われた。「要らない。」とはっきり断ったが、男性らは家の中に強引に上がり込んだ。そこへ、偶然当方が来訪したということだった。男性からもらったのは、個人名は同じであるが、会社名が異なる2枚の名刺だった。2つの会社の関係性は不明である。信用できる業者なのだろうか。
( 契約当事者:80代 女性 )
<センターの対応>
業者の信用性について、消費生活センターから伝えることはできませんが、悪質な布団のリフォーム業者の手口について情報提供しました。布団を見せて欲しいと言われて布団を見せると、「布団にダニがいて、もう使い物にならない。」などと言って、強引にリフォームを勧め、契約書に捺印するまで居座るなどの悪質な事例があるため、引き続き注意深く一人暮らしの高齢者の見守りをするようお願いしました。
<アドバイス>
新型コロナウイルスの感染拡大のため、各地で緊急事態宣言が発出されたことを受け、県境を越えた移動を自粛したのか、訪問販売に関する相談は、10年前の約半数まで減少しました。しかしながらこの秋口から、悪質な羽毛布団のリフォーム業者に関する相談が寄せられ始めました。
高齢者の一人暮らしだと知ると、「要らない。」とはっきり断っているのに、勝手に家に上がり込んだり、玄関チャイムを数十回も鳴らし続けて玄関扉を開けさせようとします。高齢者自ら、認知症の疑いがあることを告げても「大丈夫。おかしいところはない。」と契約を推し進め、契約書に捺印をするまで帰らず居座ります。若い男性2人の強引さになすすべもない高齢者は、業者のいいなりになる他ありません。契約するつもりがなく、帰って欲しいと言っても居座るような場合は、ためらわずに110番に助けを求めましょう。
訪問販売でした契約は、クーリング・オフができます。高齢者の中には、クーリング・オフをすると仕返しがあるのではないかという恐怖心から誰にも相談できずにいる場合もあります。高齢者の周辺の方は、高齢者にいつもと違う様子がないか観察するなど日頃からの見守りをお願いします。
少しでも怪しいな、困ったなと思ったら、消費者ホットライン☎188に相談してください。