テルミちゃんの知って得する知恵袋「魚介類の強引な電話勧誘販売」
10年以上前、突然かかってきた電話で「カニは好きですか?」と尋ねられ、「好きです」と答えると、数日後にカニが送られてくるという送り付け商法が出現しました。それまでは、傷みの早い生鮮食品等は、電話勧誘販売であってもクーリング・オフの適用除外とされ、救済は困難でしたが、この手口の増加に対抗して法律が改正され、クーリング・オフができるようになりました。しかし、このような販売手口は増減を繰り返しながらもなくなることはなく、さらには、判断能力の衰えた高齢者を狙い、より高額な商品を送り付けるなど悪質化しています。
一人暮らしだった兄が亡くなり、弟が兄の家を片付けていた時のこと、兄あてに海産物を取り扱う業者から電話がありました。兄が亡くなったことを伝えて断ると、業者は弟の名前を聞き出し、「生ものだからキャンセルできない。あなた宛てに送る」と強引に購入を迫ってきました。それでもきっぱり断ったところ、一方的に電話を切られてしまいました。数日後、兄の葬儀等で親族が集まっていた時、代引き配達で発泡スチロールの箱が1箱届きました。料金が79,800円と聞いて驚き、どうしたものかと親族で話をしていると、配送業者は「受け取り拒否をしてもかまわない。近所の配達を終えてからもう一度来るので、その時までにどうするか考えて欲しい」と言ってくれました。親族の話では、他にも5箱ほど同様の箱があり、手つかずのまま日数が経過していたものもあったため、すべて処分したとのことでした。判断能力の衰えかけた兄が断り切れずにいるところに、次々と商品を送り付けてきたと思われ、また、こちらが「いらない」とはっきり言っているにもかかわらず送り付けてくるなど、手口が悪質であり、受け取り拒否をしてもいいだろうかという相談がありました。
海産物の強引な電話勧誘販売では、商品代金は概ね15,000円前後が主流でしたが、この業者はこれまでにないほど高額で、事前に料金の説明もしていません。また、判断能力が衰えた高齢者に次々と送り付けたり、はっきり断っている消費者に送り付ける手口も極めて悪質です。
購入するつもりがない商品が代引き配達で届いても受け取らず、すぐに消費者ホットラインに相談してください。